獺祭について

「獺祭(だっさい)」は、山口県岩国市の旭酒造で造られている日本酒です。当社も生産者が丹精込めて作った酒米「山田錦」を旭酒造に納入しています。このページでは、その様々な話題や、独自な製造方法、ポリシーなどに触れていきたいと思います。

「獺祭(だっさい)」の由来

獺祭の「獺」はカワウソのこと。カワウソが捕まえた魚を岸にずらりと並べるさまがお祭りのように見えるため「獺祭」と言う言葉が生まれました。由来から転じて「詩や文を作るときに資料を広げて散らかす」意味も。また中国では「先祖へのお供え」を思わせることから、旧暦のお正月を意味するそうです。

旭酒造のもともとの所在地「獺越(おそごえ)」という地名から一文字とった、とも同社H Pでは書かれています。

獺祭の話題

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上はGoogleでの人気度の動向(検索数)です。有名な他の日本酒との比較です。(Google Trend)

後ほど説明する、その製造方法の独自性もさることながら、様々な話題がメディアを賑わしています。

2021年「葛城ミサトの部屋を完全再現」展示の様子

2007年に公開されたアニメーション映画『エヴァンゲリオン新劇場版:序』では、主要登場人物・葛城ミサトの愛飲する銘柄の一つとして登場しました。その後、2021年6月7日から7月31日まで、東京の獺祭ストア銀座で、この葛城ミサトの部屋を完全再現した展示が行われ、連日ファンが集いました。

2011年12月、桜井博志社長(当時・現会長)が、テレビ番組の『ほこたて』に「どんな水でも絶対に見極める酒職人」として出演。これが話題となり、さらに人気に火がついた「獺祭」は品薄に。旭酒造が謝罪するまでの騒動になりました。

2013年10月には、同じ山口県出身の安倍元首相がロシアのプーチン元首相に、2014年4月にはオバマ元米首相に獺祭をプレゼント。

2002年、国際的な食品品評機関 “モンド・セレクション”にて最高金賞を受賞、フランスで開催された日本酒コンクール「Kura Master」では2017〜2020の4年連続で金賞受賞。そのほか米ロサンゼルスのインターナショナルワイン&スピリッツコンペティション2014でも金賞を獲得した経験があるなど海外でも評価が高くなっています。

2020年11月開催の香港のオークション「サザビーズ」に出品された獺祭が84万円で落札されたことも大きなニュースに。

そして、新型コロナ禍の2021年5月24日、「日本経済新聞」(朝刊)の一面に『私たちは、日本の飲食店の「いのち」とともにあります』と、意見広告を掲載し、大きな反響を呼びました。

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「酔うため 売るための酒ではなく 味わう酒を求めて」をポリシーに

旭酒造で醸される日本酒は全て、醸造アルコールなどの副原料を使わず、精米歩合が50%以下の「純米大吟醸」のみ、そして銘柄は『獺祭』1つのみです。純米大吟醸は最高級とされ、純米ならではの米の旨味とコク、吟醸造りが生み出す吟醸香が調和された日本酒。

通常日本酒の醸造には杜氏(とうじ)と呼ばれる、酒造りの全工程を取り仕切る職人集団がいるのですが、旭酒造には杜氏がいません。経験と勘に頼る職人技ではなく、発酵状態など全てのデータを数値化し醸造の徹底管理を行っています。

みなさんがイメージされるような昔ながらの木造の酒蔵もありません。全館冷房完備の12階建てのビルが蔵です。年中気温を一定にし、通常冬にしか行われない酒造りを1年通して行っています。

また、高価なハイテク機器の遠心分離機が一部製品に使われていることも有名。上槽(じょうそう)といわれる、醪(もろみ)から生酒(なまざけ)を搾る工程で、通常はもろみに圧力をかけて絞るところ、無加圧状態でもろみから酒を分離します。これにより純米大吟醸の本来持つべき香りやふくらみなどの美点が崩れることなく表現できるとのこと。無加圧ということは製品の歩留まりは極端に悪くコスト的には厳しくなるが良い酒を造りたいという目的のために思い切って導入したそうです。

酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」のみを使用

山田錦はタンパク質が少ないという特徴をもち、日本酒にしたときの雑味が少ないのがポイントです。酒米には、この酒米の王様と呼ばれる「山田錦」のみが使われています。

「最高を超える獺祭を作るために、最高を超える山田錦を作って頂きたい」という事から、2019年より、「最高を超える山田錦プロジェクト」と銘打って山田錦栽培農家を対象にしたコンテストが行われています。

当社生産者の米もこれに参加しています(上の動画は去年(2020年)6月の山田錦田植えの様子)。惜しくも入賞はなりませんでしたが、全国の山田錦生産者が今までの山田錦を超えるものに挑戦し、それを機械分析、DNA鑑定、プロによる目視など、様々な形で評価、優勝米は市場価格の約25倍で買い取られます。生産者にとっては、大きなモチベーションとなっています。

前に記した、香港のオークション「サザビーズ」に出品されたのもそのお酒、「獺祭~最高を超える山田錦2019年優勝米~」です。

 


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