災害支援活動を重ねて
当社では、米の可能性を広げる一つとして、防災食、非常食、保存食としての米に注目、アルファ米や米粉製品を製造しております。
2004年の中越地震の際、当社も被災者でありましたが、アルファ米を避難所に届ける等の災害支援活動を行いました。どこかの組織などには所属せず、自分たちの意思での活動でした。なぜなら災害時の物資は要請主義で、所属する組織のゴーサインを待っていては、届けてもその時にはもう不要になっていることもある為です。
この支援活動の経験から、たんぱく質摂取制限のある方のための「はんぶん米」や、残飯の出にくい食べきりサイズの「新潟のごはん」を開発、販売しました。
産学連携の「白藤プロジェクト」から「NPO法人プロジェクト88」へ
2007年、東京家政大学の中村教授が新潟県を訪れたのをきっかけに、東京家政大学と当社、そして地元の酒造会社の産学連携で、幻の酒米「白藤」を復活させる「白藤プロジェクト」がスタート。学生達は、田植えから草取り、刈り入れなどの農作業、酒蔵での酒づくりなどを体験していきます。
彼女らがこれらの米作り、食品づくりを実地で学んで行く中で、(特に女性や子供など)「もっと多くの人にお米を食べてもらいたい」という思いを膨らませ、当時4年生だった学生を中心に「プロジェクト88」を結成、米粉を使ったお菓子などの研究開発が始まりました。これはのちにNPO法人化、「食のバリアフリー」を目指して、大学発の開発商品をデパートの催し物会場で販売する「大学は美味しい」など様々な企画を行っていくことになります。(現在は解散しています。)
2011・3・11
「プロジェクト88」結成のきっかけはやはり、2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原発事故発生。当社はこれまでの災害時と同様、現地に赴き災害支援活動を行いました。
「プロジェクト88」ののちの理事長、高橋さんも同行、そこで目の当たりにしたのは想像を絶する被災地の風景、戦場のような避難所。また、避難所には多くの子供達もいますが、その中にはせっかくの配給品の甘いお菓子を小麦、卵アレルギーの為に食べられない子供がいる現実を見ました。
地元新潟の企業が結集
災害支援活動の中で、小麦、卵など特定原材料(28品目)を使わず、高齢者や子供でも食べられるやわらかな「米粉クッキー」の製品作りを開始しました。味も美味しいことが必須条件ですので、これには地元の老舗洋菓子店、美松(ガトウ専科)のパティシエが協力。
また、米粉でお菓子を作る時に重要になってくるのが、米粉化の精度、細かさ。それによって口当たりなどが大きく変わってきます。その高い米粉製造技術を持つ、同じく新潟のたかい食品にお願いしました。
そして、保育園での試食会なども重ね、これに5年の保存期間を持たせるなど、数々の試行錯誤の末、ようやく防災食としての「米粉クッキー」製品発売にこぎつけました。また同時に試作を重ねた、小麦も卵も使わない「米粉シュークレープ」もガトウ専科より発売されました。
「新潟日報」新聞記事
「Between 2012年4−5月号」
「米粉クッキー」の製品化には、平成25年度の新潟県米粉需要開拓マーケティング支援事業、平成26年度の新潟県食品産連携需要創出支援事業の支援を受けました。
災害時の備えとして、是非備蓄して頂きたい商品です。