思い出したくはない、しかし覚えておくべき、あの日から10年目を迎えます。
これまでに確認されている東日本大震災による死者は、15,899人、行方不明者は2,529人、合わせて18,428人(2020年3月7日時点警察庁まとめ。一連の余震も含む。)建築物の全壊・半壊は合わせて40万4,893戸。これだけ多くの悲しい出来事が一瞬で始まった日です。
この震災以降、世の中の有り様は確かに変わりました。東日本大震災後の平成24年に国土交通省が実施した「国民意識調査」では、この震災後に考え方が変わったこととして、防災意識の高まり(52.0%),節電意識の高まり(43.8%),家族の絆の大切さ(39.9%)等があげられています。
非常用食料の備蓄に対しても、意識の変化から、官公庁、企業、個人などでの取り組みが進んでいます。しかし、厚生労働省の平成23年度の「国民健康・栄養調査」によると,非常用食糧を用意している人は全体でも47.4%,20代では26.7%とさらに低くなっています。当社でも、まだまだこの「非常食の準備、誰でも食べられる防災食(食のバリアフリー)」の取組について、啓蒙の必要、余地があると感じています。
エコ・ライス新潟は2011年、(社)全国腎臓病協議会の支援要請を受け、この地震発生48時間後に盛岡、仙台へ物資を輸送したのを始めとして、以前からずっと災害時の食事制限者への支援を継続しています。
中越地震の教訓・体験を生かし、当時輸送した支援物資は、アレルギー対応粉ミルク、アルファー化米3000食、哺乳ビン、水、透析患者用「はんぶん米」2000食。そして、「ヨウ素剤」2000人分。これは名古屋の認定NPO法人「アレルギー支援ネットワーク」との共同支援で、福島県、宮城県、岩手県で透析拠点病院、アレルギー患者団体へと配布。他にも、地域、行政、学校、民間団体等、その枠を越えての支援が行なわれました。
災害は当然起こらない方がいいです。しかし、それをいつも想定して日頃から準備しておくことは重要です。10年目のこの日は大きな節目の日ですが、明日も明後日もいつ起こるかわからない災害とともに日々は続きます。是非この機会に大切な人たちと防災について話し合って頂けることを願います。